セクションD 電力、ガス、熱の供給および空調
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電力、ガス、熱の供給および空調 |
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発電、送電および配電 |
1. 発電における石炭の使用を全面的に中止する。石炭の比率を10%以下にし、2025年までにゼロにしなければならない 理由: a) 発電における石炭使用量:年間50億トン b) 温室効果ガス排出量:年間130億СО2換算トン c) 石炭火力発電所は、世界のСО2排出量の37%および発電分野における温室効果ガス排出量の72%を放出している。 d) 大気に放出される有害物質により約370万人が早死する e) 一部の種類の魚や両生類の突然変異と絶滅 f) 淡水の消費と汚染 2. 発電における石油使用量を10年以内に年間10%削減する 理由: a) 発電における石油使用量:年間2億2,000万トン b) 温室効果ガス排出量:年間6億5,000万CO2換算トン 3. 火力・原子力発電所において試薬の代わりに電気プラズマ技術、すなわち火力・原子力発電所用水軟化・脱塩*を適用する。 理由: a) 発電所保守のための大量の電力消費 b) 酸性およびアルカリ性の排水 |
* 火力・原子力発電所用水軟化・脱塩
試薬を使用せずに熱供給網補給用軟水と発電設備ボイラー用脱塩水をつくる電気プラズマ技術の導入により、以下のことが可能になる。
- 試薬の取扱い(硫酸鉄、アルカリ、酸など、それらの輸送、搬入および保管、試薬溶液の調製、タンク、ポンプの保守と改修)が不要になる
- 事前に水を40°Сに加熱する必要がなくなり、水消費量が削減される
- イオン交換フィルターの再生時に発生する酸性・アルカリ性排水がなくなる
- 高コストなイオン交換樹脂の使用が不要になる
- 修繕・大規模改修コストが80%削減される
- 技術的ニーズによる電力消費量が削減される
- 技術的プロセスの自動化により、機器の機能の信頼性が大幅に向上し、保守人員の作業条件が改善され、人数を5~6分の1に削減することができる
- 水処理のコストが3分の1になる
- 電気伝導率が0.06~0.08µS/cm*およびSiO2<20µg/Lの超純水および脱塩水が得られる
* マイクロジーメンス、ジーメンスとは、電気伝導率の単位である。
経験により、超純水を使用すると、試薬を使用する従来の水処理技術にみられる電気伝導率が0.15~0.20μS/cmの水と比較して機器の腐食速度が10~15分の1に下がることが示されている。
表1の続き
サブセクション |
グループ |
サブグループ |
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35102 |
環境に優しい再生可能エネルギーによる発電 |
環境に優しい再生可能エネルギーであるペトロサーマルエネルギー*による発電を推進する 理由: 石炭・石油火力発電所の温室効果ガス排出量:年間135億СО2換算トン |
* ペトロサーマルエネルギー
ペトロサーマルエネルギーとは地熱エネルギーの一種で、高温の結晶質岩を熱エネルギー源とする。
この技術の利用は遠隔居住地や孤立した地域にとって経済的に合理的である。
2種類の発電方式:井戸が1本または2本。
ペトロサーマルエネルギーの最も単純な方式(井戸1本)では、井戸を掘削し、追加の中央通路が設けられる。地表からアンモニアと水の混合物が注入され、地下を通過しながら加熱される。その後、この混合物は中央通路に入り、高温で地表に出される。温度は深さ100mごとに平均2.5~3°C上昇する。
井戸2本の方式では、互いに間隔をあけて2本の井戸を掘削し、地下貯水池(地殻内の空洞)により接続し、そこで混合と加熱が行われる。
この技術の主な優位点:
- 通年での熱供給
- 地表面の設置面積が小さい
- 環境へのダメージがない
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